生きてた

生存&ダイエット報告と、若干の考察やひとりごと

日本のテレビが幼稚?むしろ、大人過ぎた結果だと思うけど…

いや〜ちょうどもやもやしてた問題がホットエントリーに挙がっていた。

www.newsweekjapan.jp

 

「日本のテレビは能天気で娯楽的、イランは国営テレビなのに政府批判で大盛りあがり。ちゃんと政府や社会を批判しないなんて幼稚だ」

というご意見なのですが…逆じゃないですか?

 

むしろ、「誰かを批判して人気を得る」という方が一番幼稚な手段でしょ?
「批評」と呼べるぐらいに、専門知識や見識に基づいて批判するならまだしもよ?

 

メディアの批判なんて、3つしかないじゃん…。

メディアによる批判内容を見ると、概ね
「難癖、偏ったモノサシ、詭弁」
のどれかだ。

 

「難癖」というのは、小さなことがすごく重大であるかのように批判すること。
「偏ったモノサシ」というのは、一方的な視点ばかりを重視する批判のこと。
「詭弁」というのは、批判の内容自体が間違っていても、それを力押しして正しいことであるかのように押し付けること。

 

だいたい、このどれか。

本当に重大な問題を報道してるわけでもないし、
知見を持った人が中立的にモノを見てるわけでもないし、
嘘をついたら謝るとか、他人と意見が違うことを尊重するとか
…そういうフラットな姿勢はないのだ。

 

言ってみれば、YouTuberやブロガーの炎上商法と中身は対して変わらない。

それをお上品にやれば日本のテレビっぽいし、下品にやるとどんどん人気YouTuberに近づく。

 

そういう話だ。
テレビネット問わず、各種メディアが行う子どもっぽい批判ごっこは…本当に子どものいじめと大差ないし、下手にイランが国営放送だからこそ「盛り上がり」だけの番組が作られているんじゃないですか?

 

と私は思っちゃいます。

 

ただ…ここまで聞いた人は
でも、日本のテレビつまんないじゃん
と思うかもしれない。

 

そう、「大人過ぎて」つまんないんだよ。

 

大人は敵を作れないから、大人の世界はつまんない

なんで日本のテレビが脳天気で娯楽っなのか?
そら、メディアに広告を打ってクレームが来ちゃっても困るでしょ?
芸能人だって、少しでも自分への誹謗中傷や批判、共演NGを減らしたいでしょ?

 

そしたら、芸能人が「いい人」を演じる方が、みんなの仕事が円滑に回るから。
毒舌キャラの人だって、同業者と揉めたくないから根回しして許可を取る人が多い。

基本的にみんな「敵」を作りたくないし、「みんなの敵」になりたくない。
そんないじめを恐れる学校の教室みたいな場所が大人の世界なんだ。

 

小学生が表立って暴力振るう感じがイランの国営放送だとすると、
中学生・高校生が仲間外れや居心地の悪さから身を守ろうとするのが日本の民放。

 

ね?ちょっとだけ大人になってるでしょ??

 

でも、みんなHIKAKINじゃないから…完全な良い人にはなれない。
だから、プライベートでは、異性に高圧的になったり、「自分は特別で特別扱いしない人には何をしても良い」という感じの芸能人・スポーツ選手・政治家のゴシップとして報道されるわけだが…それが大人ってもんだよ。

 

だからさぁ…つまんないのよ。
自分のいいところしか表では見せられないから。

しかも、エンタメを見ているのに、いじめられないように自己保身や大人の事情の中で芸をしている姿が、見え隠れするから余計につまんない。

 

さらに、「本当のいい人なんてほんの一握り」と、お仕事や性格の合わない人には色々我慢していい人を演じたことのある人は…気づいちゃうから夢すらない。

 

ぼくだって「いい人じゃないゴシップだらけの芸能人なんか嘘だ」というほどピュアではないよ?
でも、「夢ねぇな」「大変だなぁ」ぐらいのことは思いますよ…。

 

芸人がクレーム上等で面白いことをやってる時代は
「自分のいる理不尽な社会よりも、いい意味で少年のハートを持ってる」
ように見えた。

だから、テレビは子どもっぽい反面で、面白かった。

 

でも、クレームだ、ビジネスとしての収益性だ、スポンサーとの関係だと色んなことを考えないといけない環境が揃っていくうちに、大人になっちゃったの。

 

ドリフまで行かなくてもいい。
ボキャブラ天国や、昔のガキ使のコントを見てたら、コンプライアンスやクレーム対策なんてあったもんじゃないスゴいネタが出てくる。
でも、その子どもっぽさが「大人にならなくてもいい人たち」みたいに映ってかっこよかった。

 

日本のテレビに限ったことじゃないんだけどさぁ…。
あんまり大人になりすぎた人がしてることって…つまんないのよ?

 

もちろん、エンターテインメントだって生活賭けてやってるんだから、しがらみもあるし、失敗できない部分もあるし、失敗しないためにビジネスとして高度に仕組み化しないといけないところもある。

 

でもさあ…それって、面白くはないんだよ。

 

だって、予想外なことが起きる仕組みって…不良品じゃん?
同じものを作れることを突き詰めていくのは、逸品物の職人芸や芸術ではなく、工業製品じゃん?

ビジネスとしては予想外を潰し切って、同じものをいつでも作れるほうが正解だよ?

でも…私は昔の芸人さんじゃないとできないような豪快さとか、
水曜どうでしょうの乱暴すぎて自分たちでも「再現性がない」と言えちゃうものの方が人気だし、面白いとみんなに思われてるように見えるんだよなぁ…。

 

テレビつまんない論を聞く度に、すごく心苦しいんだよ。
大人としての正解を追い求めていった合理性を賛美するか、
大人じゃないけど奇跡に到達できるかもしれない子どもの尊さを賛美するか。

 

大人の理屈が理解できるぐらい大人だけど、
色んな作品を見て「子どもっぽさが生む桁違いの面白さ」への郷愁が捨てきれないぐらいに子供だから…いつもどっちと言い切れない自分がツラい